キャスティング設定

DynaRodユーザーガイド 始めに DynaRod使用法 トラブル・シューティング 目次

上へ キャスティングスタイルの表示・削除

画面表示の状態

以前に、動的計算が実行され、そのロッドのエクセルファイルが作成されている場合は、その際に使用したキャスティング設定が画面に表示されます。 はじめて動的計算が実行される場合は、空白のキャスティング設定が表示されます。

すでにエクセルファイルが存在する場合は、当機能を実行すると上書きされます。

使い方

上記が、キャスティング・スタイルを設定するためのWindowです。

キャスティングスタイル自動生成オプション

慣れない間は設定が細かく、難しいですから、キャスティングスタイル自動生成オプションを使用して、事前設定されたキャスティングスタイルを呼び出して、このWindowに表示した上で修正します。 この例は、Forward Castを表示しています。

標準的なロッドの動き

DynaRodでは、いかような動きもスピードも設定ができますが、逆に、何が標準的な速度なのか、という観点も重要です。 静止ロッドの状態との比較、業界で標準的に使われている、4Gという加速度、などとの比較可能性を考慮すると、ここでもやはり、4Gを標準の加速度とした方がよろしいでしょう。 シミュレーションをする場合は、いろいろな加速度を試してみると良いでしょう。

ロッドの各部は、それぞれ独自の移動方向、移動距離、を持つことになりますから、ロッド全体を代表する部位を決める必要があります。 そこで、Tip先端の速度から、ロッドを代表する加速度を計算し、表示しています。上の図中、赤い丸で囲まれた部分です。 
ここが、4.0になるように時間の全体値を大きくしたり、小さくしたりして調整します。
時間の全体値は、上記で青い丸で囲まれた部分です。

動的ロッドモデルでのG値について

静的ロッドモデルでのG値は、画面から直接、4なら4という数値を設定します。 一方、当機能でのG値は、ロッド先端の移動距離を移動時間の2乗で除算した加速度をさらに重力加速度変換した結果を表します。 特に、合計値のG値は、局面1から局面4までに加算された加速度を表します。 このため、合計値が4Gであったとしても、必ずしも静的ロッドモデルでの4Gと一致しません。 合計値が4Gであるということと、在る局面(例えば局面4)が4Gであると言うことには差が生じます。

したがって、この画面でのG値は、近似値として参照するようにしてください。 あるいは、4.1Gとか微調整することで、静的ロッドモデルの4Gと比較する必要があります。

独自のキャスティングスタイルの作成

自分独自のキャスティングスタイルを作成するには2つの方法があります。

  1. 事前設定されたスタイルを呼び出して修正する。
  2. ゼロから独自のスタイルを作成する。

いずれの方法でも、指定の仕方は同じです。

指定の仕方

全体値    移動の全体の量を指定します。

+の値    右から左、上から下への移動はプラスの値を全体値に指定します
ーの値    左から右、下から上への移動はマイナスの値を全体値に指定します。

開始値    

開始の位置を指定します。 開始位置は、1フィート単位のXYグラフ軸を想定し、グラフ上での位置と考えます。
位置はグリップの先端がどこにあるかで指定します。 これはアクション長の最終端であることも意味します。

ロッド軸角度

全体値    何度回転するかを指定します。
開始値    何度の位置から回転を始めるかを指定します。+X軸が0°です。Y軸は90°、ーx軸は180°となります。

グリップ水平移動

全体値    何フィート(あるいは何メートル)移動するかを指定します。
開始値    グラフ上のX軸のどの位置から開始するかを指定します。グラフの中央部分は、X=0に当たります。

グリップ上下移動

全体値    何フィート(或いは何メートル)移動するかを指定します。
開始値    グラフ上のY軸のどの位置から開始するかを指定します。 グラフの最下部は Y=0です。

時間配分

全体値    全体が何秒で移動するかを指定します。この全体値を増減することで移動の配分を変えることなく、全体の加速度を増減します。
開始値    常にゼロ

局面の配分

ロッドの移動は、4つの局面に分けて指定します。 各局面には全体値の何%がその局面で移動するかを指定します。 同じ局面で、軸角度、水平移動、上下移動、の%は同じでなくても構いません。 局面の配分値を、少しづつ変えながら、指定してはグラフを表示し、また修正する、ということを繰り返して完成させます。

キャスティングスタイルの登録(保存)

DynaRod内には、キャスティングスタイルを保存しておく機能があります。
キャスティングスタイルが完成したら、名前を入力し、現在の設定に名前を付けて保存、ボタンを押します。 同じ名前が既に存在している時には、メッセージが警告します。

登録の更新、削除

既に存在しているキャスティングスタイルの内容を変更して保存したいことがあります。
その場合には、同じ画面上で、削除機能で一旦既存のスタイルを消して、画面上の設定に同じ名前を付けて登録します。

設定済みの画面の状態で、設定の表示・削除ボタンを押します。 一覧が小さなウィンドウに表示されますので、一覧の上で消したい行をクリックします。 三角マークのレコードセレクタがその行に移動しますので、マウスの右クリックで、削除または切り取りを選びます。 これで削除が完了します。 ウィンドウを閉じます。

次に、もとの画面にもどり、名前を入力し、現在の設定に名前を付けて保存、ボタンを押します。

機能ボタン

機能ボタン名 機能
単位切り替え フィート表示とメートル表示とを切り替えます
グラフで表示 キャスティングスタイル設定をグラフで表示します
現在の設定に名前を付けてSave 設定ウィンドウにある内容に名前を付けてキャスティングスタイル・テーブルに保存します。 保存した設定は以後、付けた名前で呼び出せます。 呼び出した設定を修正して同じ名前で修正することも可能です。
設定の表示・削除 キャスティングスタイル ウィンドが現れ、登録されている設定名の一覧を表示します。 
削除したい場合は、削除する行をクリックした後で、マウスの右ボタンで、切り取り、を選ぶと削除します。
保存した直後、削除した直後は、このウィンドウをリフレッシュ(再表示)しないと表示に反映されません。 リフレッシュするためには、ウィンドウ上で、マウスの右クリックで、フィルタ/並び替えの解除を選びます。
Archiveに戻る アーカイブ画面に戻ります

表示情報

項目名 意味・説明
各局面のTipTop軸速度 その局面で計算されたTip先端の移動速度
各局面のTipTop軸加速度 その局面で計算されたTip先端の加速度の前局面からの増加分。
TipTop軸 G換算 その局面で計算されたTipTop軸加速度を、g(9.8m/秒^2)で割った値
合計値欄 同じ行の局面1〜4の合計。全体値と同じにするよう局面の%を配分する必要がある。
TipTop軸 G換算の合計値(赤い丸で囲んだ数値) ロッドの開始(停止)状態からのTipTopにおける局面4での加速度の増加分合計。

加速度の増加分について

加速度が増えない運動は、等速運動(速度が同じ運動)となり、ロッドはそれ以上曲がりません。 
ロッドを曲げるには、常に加速度が増えている状態を作らなければなりません。 
前の局面よりも、加速度が増えないと、竿は前局面より多く曲がりません。 

以上に注意して各局面の%を調整する必要があります。

以上

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